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中期事業計画

国際的な原子力人材の育成

福井県に集積する原子力人材育成機能を活用し、アジアをはじめとする世界の安全技術・人材育成に貢献します。

国際的な原子力人材の育成の実績

福井県には、沸騰水型原子炉、加圧水型原子炉、高速増殖原型炉、新型転換炉原型炉等、様々な型の原子炉が集積していることに加え、緊急時対応施設、環境監視機関、教育訓練施設、広報施設などの原子力関連施設が立地しており、多くの施設を30分から1時間の移動で効率的に見学できることが最大の特徴です。福井県国際原子力人材育成センター(以下「人材育成センター」と記します。)はこれらの特徴を活用して、アジアをはじめとする世界の原子力発電導入を計画する国々の行政官、技術者、研究者等に対し、様々な研修を提供してきました。


福井県内の原子力発電所

国際研修の実施

研修は、主に文部科学省、経済産業省及び外務省からの資金を利用する形態で実施しています。また、IAEAと福井県の協力覚書に基づき、IAEA職員の派遣を受けるほか、IAEAの研修をホストして実施しています。


    

これらの研修は基本的に講義、実習、施設見学で構成され、講義の内容は研修テーマによって異なりますが、下記に示す複数のトピックを幅広く扱う研修や特定のトピックを扱う研修を行っています。

    

・ 福島第一原子力発電所事故の教訓
・ 日本の原子力規制
・ 核燃料サイクル
・ 放射線防護
・ 核不拡散と核セキュリティ
・ 廃止措置と放射性廃棄物管理
・ 人材育成
・ 安全文化
・ プラントの安全対策
・ 原子力防災・危機管理
・ リスクコミュニケーション
・ 原子力発電所建設のためのプロジェクト管理
・ 環境影響評価
・ ステークホルダーとの関わり
・ 立地地域の原子力行政


    

講義の理解を深めるため、ディスカッション、プレゼンテーションを含むグループワークも併せて行っています。これらの講義は、IAEAの専門家、電力事業者、研究機関、原子力規制庁、政府機関、立地自治体等から派遣された講師及び町顧問、人材育成センター長を含むWERC職員が担当しました。


    

また研修によっては、電力事業者が保有する原子炉運転シミュレータ等を用いた原子炉の運転実習を組み込んでいます。施設見学では、廃止措置中のものも含め、様々な段階における様々なタイプの発電所の見学に加え、緊急時対応施設、環境監視機関、教育訓練施設、広報施設などの原子力関連施設の見学を組み合わせて実施しています。机上での知識のみならず、実習や施設見学を通じた肌感覚での体験は、研修の効果を高めることに役立っています。


    

研修実施に当たっての人材育成センターの役割は研修によって異なりますが、いくつかの研修においては、施設見学・講師の手配等を含む研修全般の企画から、研修生の募集・選定、研修生の移動・宿泊の手配に至るまで、研修事業のコーディネートを幅広く行っています。

町博士による講義
町博士による講義

  

グループワーク
グループワーク

    

日本原子力発電(株)敦賀3・4号機建設予定サイトの見学
日本原子力発電(株)敦賀3・4号機建設予定サイトの見学

研究者・研究生の受入れ

また、人材育成センターは研究者同士の交流や共同研究を促進するため、海外の研究者・技術者を福井県内の研究機関等へ受け入れるためのコーディネートを行ってきました。


    

人材育成センター設立前から、文部科学省関連の研究交流制度により、若狭湾エネルギー研究センター自身が研究機関として研究者を受け入れてきましたが、2012年に福井県の資金援助を得て福井県研究者・研究生受入制度が整備されたことから、この制度により、人材育成センターは、若狭湾エネルギー研究センター自身を含め福井県内の大学、研究機関に最大6か月間程度受入れて実施する研修を行ってきました。人材育成センターは、研究者の募集・選考から、受入れのロジスティクス、生活面での支援まで一貫して行ってきました。このことが、研究者同士のネットワーク化にも寄与し、新たな協力を生むなど、研究交流の活性化につながっています。


    

また、人材育成センターは、IAEA技術協力研修員として2015年度に若狭湾エネルギー研究センターで1名、2018年度に福井県立病院で2名が研修した技術者の活動を支援しました。

    


福井県内の原子力関連施設

    

令和3年8月時点で、人材育成センター発足当初から2020年12月現在まで、海外研修生・研究者の受入総数は、計50か国から、763名にのぼっています。今後も積極的に海外研修生・研究者の受入を行います。

    


人材育成センターの海外研修生受入れの実績

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この記事は10周年記念誌の記載されている内容の一部です。


10周年記念誌FIHRDC-AE/WERC 2011-2020」はこちら

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